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住宅は生活においての基盤となる重要なものです。家賃の滞納、その他の理由により一度住宅を失ってしまった場合、その状態から自力で脱却することは非常に困難となってしまいます。
そのような事態を未然に防ぎ、また、その状態から少しでも早く脱却するため、住宅確保給付金という制度が創設されています。
生活保護に至る手前、あるいは生活保護を脱却する段階での自立を支援するため、平成27年4月より生活困窮者自立支援法が施行されました。住宅確保給付金はそれに基づく制度の一つとして位置付けられています。
住宅確保給付金は、経済的な理由などから家賃を滞納してしまい住宅を失ってしまった、あるいは家賃の支払いが困難になってしまった場合に家賃に相当する金額を支給し、生活への復帰支援を目的とする制度です。
支給期間は原則として3か月の間と定められています。
ただし、その期間を以てしても家賃を滞納することなく支払うことができないと認められる特別な事情のある場合には、最長で9か月間まで支援期間が延長されます。
住宅確保給付金の支給においては非常に厳格な支給要件が定められています。理由に関わらず家賃相当額が支給されるわけではありません。
支給対象と認められるには以下の要件全てに該当することが必要とされています。
住宅確保給付金の申請は、各自治体の福祉担当部署が担当窓口となっています。窓口に行って直接相談することが難しい場合には、相談員による訪問対応も可能です。また、自治体によっては、社会福祉法人やNPOが担当窓口となっていることもあります。住宅確保給付金について相談する際は、まず各自治体で担当窓口についての確認をとりましょう。
住宅確保給付金の申請及びその審査は厳格な手続きに則って行われます。
そのため、申請には下記の書類一式全てが必要となります。コピーでは申請を受け付けてもらうことができないため、申請時には必ず原本を持参してください。
住宅確保給付金によって支給される金額は世帯人数やお住いの地域によって上限額が定められています。そのため、支給額については申請する自治体に確認をするようにしてください。
また、住宅確保給付金は住宅の貸主や、貸主から依頼を受けた事業者の口座へ直接支払われることになっています。申請者に支払われるわけではないので注意してください。
既に住宅を喪失しており、住宅確保給付金の給付までの間における生活費を捻出することができない状態にある場合には、特例として社会福祉協議会の臨時特例つなぎ資金の貸し付けを受けることができます。
借り受けられる限度額は10万円までであり、無利子で連帯保証人も不要となっています。制度の利用についての詳細は各自治体に問い合わせるようにしてください。
住宅確保給付金の受給中に虚偽の申請、その他不正と認められる手段により受給していることが判明した場合には、支給が打ち切られることになります。それだけでなく、既に受給した金額の全額を返還する義務が生じます。
虚偽の申請や不正な手段を用いて住宅確保給付金を受給することは絶対にしないようにしてください。
住宅確保給付金の受給中においては下記のような活動が義務付けられています。決められた活動を行わない場合、給付が打ち切られてしまうこともあります。必ず真摯に活動に取り組むようにしましょう。
常用就職に向け、ハローワークでの求職活動や自立相談支援機関による支援を受けるなど、一定の就職活動と認められる活動を行うことが義務付けられています。
少なくとも月に2回以上、ハローワークで職業相談を受ける必要があります。その際、職業相談確認票を持参し、安定所確認印を受けなければなりません。
少なくとも月に4回以上、自立支援相談機関の職員による面接対策指導などを受けなければなりません。その際、ハローワークにおける職業相談の状況や就職活動の進捗について報告しなければなりません。
原則として週に1回以上、求人への応募あるいは面接を受けることが義務付けられています。
これについてはハローワーク上の求人に限られないため、新聞の広告や、町のフリーペーパーによる求人でも問題ありません。自立支援相談機関の職員から支援を受ける際、応募時の求人票やフリーペーパーにおける該当部分の切り抜きを持参する形で報告します。
本人の状態や活動実績などによって自立相談支援機関より上記以外の活動を提案されることがあります。
その場合には、上記の他、自立相談支援機関より提案された活動についても並行して行うことが義務付けられます。
家賃の支払いを滞納してしまい住宅を失う恐れがある、あるいは既に失ってしまった場合には、速やかにお住いの自治体に設置されている相談窓口へ相談するようにしてください。自治体から状況に応じた自立のための支援を受けることが可能になっています。
相談は早ければ早い程、的確な支援を受けることができ、生活を立て直すまでの期間が短縮されます。
また、支援を受けることができる金額や担当窓口などは自治体によって異なります。詳細については必ず申請先となる自治体へ確認する様にしてください。
自立のための支援を受けることは、決して恥ずべきことでも悪いことでもありません。社会における重要なセーフティーネットの一つとして、住宅確保給付金について正しく理解しておくようにしましょう。