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家賃保証の審査では、どのような点を基準として判断されるのかを解説しています。
家賃保証の利用には保証会社の審査を受ける必要があります。保証会社によって独自の基準を持っているので、すべてを明らかにすることはできませんが、共通してどのような点で判断されるのかを紹介しましょう。
これは家賃の額そのものよりも、申込者の収入に対する家賃の比率を重視します。目安としてはおよそ30%程度。ただし、家賃額が非常に高い場合は比率をクリアしていても審査に落ちる場合があります。高額な家賃だと、回収不能リスクが高まるからです。
直近の支払い能力に関しては収入証明書で判断されますが、その継続性については職業を見られます。公務員や大企業の会社員など安定収入が見込まれる場合は審査が通りやすく、アルバイトや派遣社員、個人事業主など収入が不安定と思われる職業の審査は厳しめになります。
●自営業(個人事業主、経営者)
自営業・経営者と聞くと審査には有利に感じるかもしれませんが、基本的に審査には不利になりがちです。
大企業の経営者であれば別ですが、小さい企業の経営者は、事業の失敗などですぐに収入が0円になってしまったり、自己破産してしまったりするリスクがあります。そのため、家賃保証に限らず、カードローン・クレジットカード・住宅ローンの審査でも不利になる傾向にあります。
●水商売
水商売も審査にはマイナスです。水商売は過酷な勤務状況の人が多く、体を壊してしまい収入が安定しない傾向にあるからです。例えばホストクラブやキャバクラなどで働く人は、連日お酒を飲み続けることから肝臓などを壊しやすいです。普通の仕事よりも離職率が高くなり、収入が安定しません。
家賃保証会社としては審査をマイナスにせざるをえないと考えておきましょう。
●学生
親が保証人になっている学生の場合は「親の職業」しだいで審査に有利になります。親が大きな企業に勤めていたり公務員だったりすると、かなり大きく審査にプラスになるでしょう。
ただし、親が保証人にならないケースでは、審査落ちする確率が非常に高くなります。
●無職
無職でも家賃保証会社を利用できないわけではありませんが、審査時には「入居後に家賃をどのように支払っていくか」という支払える根拠を示すことが必要となります。具体的には、審査時に預金通帳の写しや残高証明書などを提出する必要があるでしょう。
預金額としては、入居後、無収入でも半年程度は家賃を支払いながら生活できるくらいはあると安心です。なお、無職の場合、なぜ無職にも関わらず引越しするのかといった理由も大切なポイントになるので、伝えられるようにしておきましょう。
●生活保護受給者
生活保護者の方でも家賃保証会社を利用可能ですが、審査時には保護理由を詳しく見られます。生活保護者というと、国から安定した収益を得られるため、保証会社にとっては優良な顧客のように思えるかもしれません。ですが、過去のデータからリスクが高いと判断されることが多く、審査は厳しいものになる傾向にあります。
在籍確認とは、申込者が申告した勤務先で本当に働いているかどうかを確認するものです。主に電話にて行われます。在籍確認が取れないと、審査には通りづらくなります。
なぜ、わざわざ在籍確認を行うのでしょうか?申込者の中には勤務先を偽る人もいるからです。
審査に通りやすくするために、このような嘘をつく場合は多いのです。そこで、家賃保証会社は、実際に職場に電話をかけて、申込者本人が職場にいるかどうかを確認するのです。
連帯保証人がいれば審査には通りやすくなります。もし本人が家賃を支払えない場合、連帯保証人に支払いの義務が生じます。連帯保証契約はそのぐらい強力な契約形態なので、連帯保証人が設定されることで、保証会社としても安心して審査に通しやすくなります。
緊急連絡先は単に「何かあったときの連絡先」という意味だけでなく、場合によっては審査時に影響を及ぼすケースもあります。基本的には友人や知人問わず受付可能です。ただし、万が一の際に勤務先の同僚や友人だと強力を得られないことがあるため、「三親等内」を審査要件のケースもあります。
家賃保証会社への審査申込後、電話での確認がなされることはそう多くはありませんが、大手の保証会社の中には実施する会社もあります。
賃貸借契約は長期にわたるものであり、一度契約すると退去するまでの間、保証するものです。世の中にはいろいろな方がいるので、中にはモラルや常識に欠けた方も当然います。電話確認では、こうした方をチェックするために行うことがあるようです。
保証会社から電話確認が必要なのであれば、審査に影響があると知っておきましょう。なお、家賃保証会社の審査で電話確認が実施されることは多くありませんが、電話確認の有無があるかどうかは不動産会社の担当者が知っているのが普通なので、事前に聞いておくとよいでしょう。
配偶者、子供など同居する家族の有無も審査の通りやすさに関わります。基本的には独身の方が審査に通りやすいです。なぜなら、同居家族が多ければ多いほど、生活費は高くなりがちだからです。その分だけ家賃支払いに使える生活費は少なくなり、家賃滞納のリスクは上がります。
同じ年収であれば、独身の方が審査には通りやすいでしょう。
ただし、配偶者も働いている場合は、逆に審査にプラスになるでしょう。配偶者が連帯保証人になれば、夫婦の年収を合算した金額で審査されるため、審査には有利になります。
就業中であれば70歳くらいまでそれほど問題になりませんが、失業中の場合は年齢が結果を左右します。同じ求職中でも年齢が若ければ仕事が見つかりやすいと判断され、40代や50代以上では再就職するのが難しいと判断されるので、厳しくなると考えてよいでしょう。
保証会社は家賃滞納者のデータベースや携帯料金の遅延データベースを持っており、借主が支払いにルーズかどうかを判断します。また信販系の保証会社の場合はCIC、JICCなどの信用情報を参照してクレジットカードなどの支払状況を確認することがあります。
敷金の有無や対象エリアを判断基準とする場合もあります。敷金がある物件は滞納家賃の保証に充当させることができるため、審査が通りやすくなります。また対象物件が遠隔地にある場合は、現場まで行くのに手間がかかるので、審査にはマイナスに働くようです。
保証会社の審査を受ける際には、申込者の本人確認や基本データとなる書類の提出が求められます。保証会社によって必要書類は異なりますが、主なものは以下の通り。
このほか、連帯保証人を求められたり、追加で書類が必要となるケースもありますので、詳細は家賃保証を取り扱う不動産会社や管理会社に確認するようにしてください。
在籍確認のイメージが浮かばない人も多いかもしれません。ここでは、例をあげてみましょう。保証会社の審査担当者は、勤務先に個人名でこのような電話をかけます。
保証会社の担当者 :
「(担当者の個人名)と申しますが、(申込者の名前)さんはいらっしゃいますでしょうか?」
それに対して、電話に出た会社の同僚が次のように答えれば、本人が職場に在籍しているということが確定し、在籍確認が取れます。
一方で、以下のような答えが返ってくるとどうでしょうか。
これでは在籍確認は取れず、勤務先に勤めているかどうか、保証会社の審査担当者にはわかりません。在籍確認に失敗し、審査には非常にマイナスになってしまいます。もし事前に電話での在籍確認が取れそうに無いとわかっている場合は、審査担当者にその旨を伝えておきましょう。
社会保険証などの書類で在籍確認を代用してくれる事もあります。
何度審査に申し込んでも家賃保証審査に通らない人が、闇雲に多くの家賃保証審査に申し込むのはオススメできません。
まずは以下の4つの対処法を試してみてください。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
収入に対して家賃が高すぎると、家賃保証の審査には通りにくくなります。月収が20万円の人は、10万円の家賃の保証審査にはまず通らないでしょう。
目安として、家賃は収入の25%(4分の1)以下に抑えるようにしてください。
もし月収が40万円の人であれば10万円、30万円であれば7.5万円です。
できるだけいい部屋に住みたいと思う気持ちはわかりますが、家賃保証審査に通らなければいつまでも入居することはできません。また、仮に家賃保証審査に通ったとしても、収入に対して高すぎる家賃を支払い続けると生活が圧迫されます。
いつか家賃滞納してしまうような状況に追い込まれるかもしれません。
家賃保証審査に通りやすくするためには、自分の身の丈にあった家賃に抑えることが最も大事なのです。
同じ保証会社に立て続けに審査を申し込んでも、落ち続けることが多いです。異なる保証会社が審査する物件に変えて申し込むべきです。
保証会社はそれぞれ異なる審査基準を設けています。年収・年齢などが保証会社の基準に満たない場合は、物件を変えても審査に落ち続けてしまいがちです。保証会社を変更すれば必ずしも通るとは限りませんが、試してみる価値はあるでしょう。
賃貸仲介会社の担当者に「この保証会社では審査に落ちてしまったので、別の保証会社の物件はないか?」と相談してみましょう。仲介会社の営業マンにとってこの手の相談は受け慣れているので、恥ずかしがることはありません。
保証会社は「信用情報」と呼ばれるデータベースの情報も使って審査しています。信用情報には、利用者のクレジットカードやカードローンの利用歴、延滞の有無などが記録されています。過去に家賃保証会社を利用して家賃滞納してしまった場合も、その記録が残っています。クレジットカードの延滞や、家賃滞納を頻繁に繰り返している場合は、審査に通りづらいでしょう。
借りたお金や家賃は期日までにしっかりと支払うようにしてください。
信用情報にはいわゆる「ブラックリスト」と呼ばれるものがあります。ブラックリストに登録されてしまえば、審査は非常に厳しいでしょう。
もし短期間の家賃滞納やクレジットカードの延滞であれば、家賃保証審査に致命的な影響はありません。滞納した情報自体は信用情報に記録されますが、ブラックリストには該当しないからです。
審査に通りづらくはなりますが、絶対に通らないわけではありません。
しかし、「長期の延滞」「自己破産などの債務整理」といった深刻な事故を起こしているとなると話は別です。これらは特別なブラック情報として信用情報に記録されています。つまり、ブラックリスト入りしてしまっているわけです。
ブラックリストに入る主な条件は以下の通りです。
ブラックリストに入ってしまった人の家賃保証審査は極めて厳しいといわざるをえません。
ブラック情報は5年(一部10年)で信用情報から記録が抹消される決まりになっています。記録が抹消され、ブラックリストから外れるのを気長に待つ以外に道はないでしょう。
自分がブラックリストに入っているかどうかは「自己開示」で調べることができます。
以下の信用情報機関に問い合わせて、情報を取り寄せてください。