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家賃保証システムの仕組みや契約・手続き方法について解説しています。
家賃保証システムとは、賃貸住宅の契約をする際に家賃保証会社が借主の連帯保証人を代行するサービスのこと。
借主は保証会社の間で保証委託契約を締結し、借主が何らかの理由で家賃が支払えなかった場合に、保証会社が借主に代わりに家賃を立て替えて家主に支払う仕組みです。
保険ではないので、借主は立て替え払いされた家賃料を後日、保証会社に支払わなければなりません。
借主が家賃保証システムを利用するには、家賃保証会社の審査を通過する必要があり、その後、契約時の保証料を支払うことで成立します。
借主にとっては「賃貸契約時に連帯保証人が見つからない」「頼みづらい」といった事情がある場合でも、家賃保証会社が代行してくれるため安心です。
家主にとっても、家賃滞納リスクが無くなり、仮に契約解除や訴訟が起きた場合でも、それらの費用が保証されるので、安心して賃貸業を営むことができます。
借主は、家賃保証システムを利用するために家賃保証会社と契約を結ぶことになります。しかし、賃貸住宅の仲介をしている不動産会社や管理会社が代理店となっていることが多いため、わざわざ借主自らが家賃保証会社に足を運ぶ必要はないでしょう。
審査に必要な本人確認書や収入証明書などの種類を事前に提出し、審査でOKとなった段階で保証料を支払い、契約書にサインをするという流れになります。
審査は早ければ1~2時間で結果が出るため、賃貸契約の手続きをする中で終了する場合もあります。なお法人契約の場合は決算書や事業契約書を求められることもあるので、事前に必要書類を確認しておいた方がよいでしょう。
また信販会社系の保証会社の場合は、クレジットカードを作成して家賃の口座自動引き落としが条件となることがあるので注意が必要です。
現状、契約先の家賃保証会社は、家主が指定していたり、不動産会社や管理会社の提携先の会社というケースが多いです。が、何も決められた会社と契約しなければならないルールはありません。
借主が希望する保証会社を選ぶこともできるのです。
以前に利用したことがあるので安心だったり、気になる家賃保証会社がある場合は、ぜひ提案してみてはいかがでしょうか。
近年、非常に市場が大きく拡大しているこの家賃保証ですが、その仕組み、そして契約の流れはどのようになっているのでしょうか。家賃保証の仕組みと契約の流れについて、見ていきましょう。
最近では、連帯保証人を立てることができる状態であっても、家賃保証会社の利用を義務づけられるケースが出てきました。これは、どういうことなのでしょうか。
家賃保証会社を利用すると、不動産管理会社やオーナーとしては、入居者の管理や家賃督促など、そのすべてを家賃保証会社に委ねることが出来ます。家賃滞納が起きた時も、その対応をすべて引き受けてくれるため、不動産管理会社やオーナーにとっては非常に魅力的なサービスなのです。
こういった背景のもと、連帯保証人を立てることが出来る状態であったとしても「この物件を借りるなら、家賃保証会社を利用してください」と指示されてしまうことが出てきています。家賃保証会社を利用すると、手数料なども発生します。「どうしても使いたくない」という場合は家賃保証制度を利用しないでも済む、他の物件を探すようにしましょう。
次に、契約の流れについて見ていきましょう。
家賃保証会社と契約をするためには、必要書類を出すことから始まります。不動産管理会社に提出する入居申込書とは別に、提出する書類が出てきますので、きちんと準備をしなくてはいけません。
家賃保証会社に提出する必要書類でまず挙げられるのは、本人確認書類です。
代表的なのは、
このいずれかの書類提出が求められます。
また、収入を証明する書類として、以下の書類が求められます。
その他にも、あると審査が有利になると思われる書類があります。例えば、現在無職の方が家賃保証会社の審査を受ける場合は、失業保険受給証明書があるといいでしょう。収入がまったくない訳ではないということを証明できる必要書類として、効力を発揮します。
また、無職であっても金銭的には困っていない場合も、それを証明できる書類を用意するといいでしょう。例えば母子家庭だけれど手当と養育費をきちんともらうことで、経済的には困窮していない場合や、賃貸経営をしていて家賃収入がある、現在無職でも前職でしっかり貯金している、というケースでは預金通帳の残高を提出するといのも一つの方法です。
家賃保証会社には、連帯保証人の代わりになってもらう代わりに利用料を支払います。
まずは、契約時に「初回保証料」を支払うのですが、こちらは保証内容によって金額はさまざまです。おおよそ、月額賃料の20パーセントから100パーセントという設定が一般的となります。この料金によって、保証されている内容にも違いができます。
その次に支払いが必要となるのは、更新のタイミングです。オーナーに更新料を支払うタイミングで、保証会社への更新料の支払いも必要となります。この金額もさまざまで、1年ごとに10000円、2年ごとの更新のタイミングで家賃総額の数パーセント、初回保証料と同額など、さまざまです。
家賃保証会社の審査とは、どのようなものが行われているのでしょうか。
審査に関しては各社に基準があり、その内容はオープンになっていません。ただ、基本的には年収や勤続年数が判断基準となるようです。家賃保証会社としては、家賃滞納はしてほしくないというのが本音ですから、通常の不動産管理会社が行う審査よりも少し厳しい内容になると言えるでしょう。
ただ、支払い能力を示すことが出来れば、必ずしも落ちるわけではないようです。
家賃保証というのは、ここ10年で大きく市場を拡大しているサービスです。これからも、家賃保証会社は増え続ける傾向にあり、今後家を借りたいと思った時には必須となるかもしれません。仕組みを正しく理解しておけば、オーナーにとっても、不動産管理会社にとっても、入居希望者にとっても便利なシステム。恐れ過ぎずに正しく理解するようにしましょう。